2019年3月1日開催

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「PERSEUSワークショップ」を開催しました

PERSEUSワークショップ開催報告

今回はこれからの超小型衛星開発において重要性が増している「アントレプレナーシップ」および「システム思考」を体験を通して理解することを目的として、ワークショップを開催しました。

日  時 2019年3月1日(金) 10:00-16:30
会  場 大阪府立大学 I-siteなんば A1,2
プログラム

「アントレプレナー・イノベータ―のリアル」  株式会社インディージャパン 津嶋辰郎
「東工大におけるエンジニアリングデザイン教育と衛星OrigamiSat-1開発」  東京工業大学 工学院 准教授 坂本啓
「システム思考ワークショップ」  株式会社レヴィ 南部陽介・三浦政司・萩原利士成・吉澤良典

参加者数 学生25名(1年:3名,2年:6名,3年:6名,4年:6名,M1: 2名,M2: 2名)
[見学;教職員8名,一般:4名]

 

始めに、株式会社インディージャパン津嶋氏より「アントレプレナー・イノベーター」と言われると自分には向かないと考える学生も多く、 そういう学生たちに対し、アントレプレナーシップは誰でも持つことができるということ、イノベーションを起こす企業を作っていくためには異なるスキルを持った多様な人材が必要であることを、様々事例を交えて分かりやすく講義頂きました。

 

 

 

 

 

   株式会社インディ―ジャパン 津嶋辰郎氏

 

講演では、超小型衛星で日本をリードする東京工業大学でエンジニアリングデザイン教育と超小型衛星開発を担当されておられ、また、今年1月にイプシロンロケット4号機(革新的衛星技術実証1号機)で打上げられたOrigamiSat-1の責任者を務めておられます東京工業大学の坂本啓氏に「東工大におけるエンジニアリングデザイン教育と衛星OrigamiSat-1開発」についてご講演頂きました。普段聞けない話に学生たちも真剣な眼差しで講演を聞いていました。

     

東京工業大学 工学院 准教授 坂本 啓氏

 

最後のワークショップでは、株式会社レヴィの南部陽介氏、三浦政司氏、萩原利士成氏、吉澤良典氏から挨拶の後、当プログラムの教材として開発されたばかりのカードゲーム『ペジテの自転車』が披露され、早速参加学生にプレイしてもらいました。

  
 株式会社レヴィ 南部陽介氏        三浦政司氏           萩原利士成氏          吉澤良典氏

このカードゲームは、ゲームで遊ぶことが目的ではなく、ゲームを通して「システム思考」の基礎を学べるようになっています。 学生たちもゲームに熱中し、楽しんで「システム思考」を学んでいました。

 

<「システム思考」の基礎が学べるカードゲーム『ペジテの自転車』>

 

     <ワークショップの様子>

 

 


事後アンケートの結果

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95%の人がシステム思考への理解が深まったと回答
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83 %の人がレクチャーや解説の内容をよく理解できたと回答
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63 %の人がゲームの目的や意図をよく理解できたと回答

<自由記述のアンケート結果>

「普段の業務・役割の中でシステム思考が必要となる課題はありますか?」

  • ある要素に設計変更が必要な際に,全体にどのような影響があるかを考えるときに必要になる。
  • 統合した状態でのプログラムで意図しない挙動が生じたとき、そのシステムの構成を把握し、どこに問題があるかを探る必要がある。
  • 設計と実機とのズレ(機速やパワー)の原因と対策を見つける。

 

「システム思考講座を受けて、課題についての考えが変化したり、具体的に行動してみようと思ったことはありますか?」

  • まずチームをシステムとして考えることから始めたい。
  • 現在学校で行っている研究について、なぜ研究が必要なのか、要求は何なのか、もう一度見直してみようと思った。
  • 視点を共有する方法を考えてみようと思った。

 

「ゲーム中で印象に残っているシーンや気づきはありましたか?」

  • 矛盾が多い要求に対していかに最適解を出していくべきか考えることができた。
  • 無限会議が連続して2ターン続いた時は辛かった。これは実際の現場で起こると致命傷だと感じた。
  • 様々な要求があり、全てを満足するのは難しいことが体感できた。また、同じ設計に対しても様々な視点があり評価が異なることが再現されていたことが印象に残った。
  • 多くの要求を満たそうとするほど、システムは複雑になり、システムを構築することが難しくなると感じました。
  • 強制的に再設計を求められるとは想像しておらず、面食らいました。
  • ゲーム内のイベントが衛星開発で経験したことと結びつくと、とても面白かった。実際のどのようなことがモデル化されたゲームなのか考えながらゲームを行うことで、より楽しめたと思う。
  • 複雑システム編で、視点カードの点数への影響が強く作られていた。また、視点カードを仲間に見せる事ができる行動カードがあり、そのカードからは「腹を割って話そう」というような感じがした。
  • 要求が分からないとゲームが非常に進めづらくなり、物作りを実際にしなくてもシステム開発で起きることを体験できて面白いと思った。
  • 視点カードのマイナスが大きすぎる。
  • イベントカードの効果が設計に大きく関わること。