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「ひろがり」、JAXAへ納品完了!

打ち上げに向けたすべての安全審査が終了し、打ち上げにご協力いただくJAXAへ「ひろがり」の機体を10/16に納品完了しました!

<衛星運搬の様子>

 

<衛星納品完了後の様子>

 

参加学生よりレポートを頂きました!


こんにちは、SSSRC修士二回生の渋谷です。SSSRCでは衛星プロジェクトに所属しており、電源系兼安全審査のメンバーとして活動しています。
SNSを通してご存知の方もいらっしゃると思いますが、2020年10月16日にてJAXAつくば宇宙センターにて私たちが開発してきた人工衛星“ひろがり”を無事引き渡すことが完了しました。今回はそのことについて報告させていただきます。
9月~10月頭にかけてNASA・JAXAによる安全審査Phase3が行われ、あとは衛星を引き渡しするだけという状況でした。安全審査を終え一安心といったところですが、引き渡しに向けて必要な作業がたくさんあります。例えば衛星を輸送・保管する際のケースを製作する必要があります。“ひろがり”にはディプロイメントスイッチと呼ばれるスイッチがあり、このスイッチによって電源のON/OFFを操作するのですが、輸送・保管中にこのスイッチが何かの拍子で入ってしまうと勝手に起動してバッテリの残量が減ったり、アンテナが展開したりしてしまいます。ケースを作る際はこのスイッチが絶対に入らないような設計を考えなければなりません。他にも引き渡し後にJAXAの方がケースから衛星を取り出しやすい手順の確立やアンテナ展開・パドル展開に用いるニクロム線の位置が正しいか、太陽電池が割れていないかなど入念にチェックする必要があります。これらの作業を終え遂に引き渡し当日を迎えました。JAXAに入構後、JAXAの方と一緒に衛星の最終チェック(外観検査、インヒビットチェック、フィットチェックなど)が行われました。てっきり数人に見られながら作業するものだと思っていましたが、実際は何倍もの人に見られ、さらにカメラも合ったので作業は非常に緊張しました。それらの作業を終え無事引き渡し完了となりました。数日後、J-SSODと呼ばれる実際に衛星が放出されるケースに収納されたということもあり、あとは打ち上げ、放出を残すのみとなりました。思い返してみるとここまでくるのに非常に長かったように感じます。引き渡しの達成感とともに寂しさも感じています。僕は来年卒業してしまうので、衛星運用まで携わることができないのが残念ではありますが、無事ミッション成功するよう祈っています。
最後になりますが、本プロジェクトを応援してくださった方ありがとうございました!
皆様の応援がなければここまでたどり着くことはありませんでした。今後ともSSSRCをどうぞよろしくお願いいたします!

工学研究科機械系専攻 修士2年 渋谷昌宏


 

JAXA納品後、JAXAよりNASAへ輸送され、2021年上期にNASAより打ち上げ、その後国際宇宙ステーションから「ひろがり」を宇宙空間に放出し、実証実験を実施します。

宇宙まであと少しです!