イベント報告

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2020年度 「PERSEUS 特別講義」を開催しました

今回は、当プログラムスタッフでもある真鍋武嗣名誉教授に小型衛星のための電波工学基礎について講義をして頂きました。

日   時 2021年2月6日 (土) 10:30~16:30
参加数 会場;学生17名(B1 2名,B2 2名,B3 4名,B4 3名, M2 3名,D2 2名)、教職員1名オンライン;学生21名(B1 1名,B2 8名,B3 8名,B4 2名, M1 2名,)、教職員1名

今回は、『電磁気や電波・通信工学の知識のバッググラウンドの無い学生が超小型衛星の衛星回路設計ができるようになること』に目標をしぼって、最低限必要な要素技術の基礎を学べる講義を行っていただきました。5時間の講義でしたが、時間を感じさせないとても興味深い講義でした。学生にとって有意義な時間となりました。

 

<講演の様子>


また今回、講義で得た情報を定着させる目的で事後、大学院生に講義内容に沿った〇×問題(下表参照)を作成してもらい、参加学生に回答してもらいました。


設問 正答率
1

Sバンドは2GHz-4GHzの周波数帯である。

0.97
2 UHFは超短波と呼ばれる周波数帯である。 0.77
3 宇宙局(人工衛星局)から地球局(地上局)への通信をダウンリンクという 1.00
4 送信アンテナに指向性がある場合、受信地点での単位面積当たりの電力はゲイン倍となる。 1.00
5 パワーは振幅の二乗に比例するので、同じ物理現象を表現する場合、dB値は変わる。 0.86
6 性能が良いアンテナはサイドローブが高いので周囲の雑音の影響を受けない。 0.94
7 アンテナの受信電力について、アンテナの実効面積は一般にアンテナの物理的面積とは等しくない。 0.97
8 通常のアンテナは送信にも受信にも用いることができる。 0.97
9 自由空間損失の値は非常に小さいので、衛星の受信電力を考える際にはそれほど影響しない 0.91
10 自由空間損失は距離の二乗に反比例して減少し、波長の二乗に比例して減少する。 0.80
11 数GHz以下の周波数では降雨による利得の減衰は無視できる。 0.89
12 右旋円偏波を受信するアンテナは左旋円偏波も受信できる。 0.83
13 インピーダンスが異なる機器や伝送線路を接続すると接続点で反射が生じる。 0.97
14 人工衛星の回線設計において、一般的に考慮するのは雑音のうち熱雑音である。 0.97
15 絶対温度0Kより大きい全ての物体は熱雑音を生じるため、アンテナ自体も熱雑音の発生源となり得る。 1.00
16 天空雑音のうち、大気雑音に比べて太陽雑音が与える影響は大きい。 0.83
17 縦続接続回路について、初段(入力段)の利得が十分高い場合は総合雑音指数は初段の雑音指数に支配される。 0.91
18 ディジタル変調方式の一つである周波数変調方式はASKと略される。 0.89
19 超小型人工衛星「ひろがり」では通信方式の一つとしてGMSKを用いている。 1.00

上記のような正答率でありました。特に、正答率が90%以下の問題および正答率が低かった学生に対しては講義後にフォロー行い、学習の理解度を高め、学生たちの将来につなげていきたいと思います。