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小型宇宙機システム研究センター(SSSRC)がCANSAT 気球試験を行いました

2018年12月16日(日)、大阪府立茨木工科高校と小型宇宙機システム研究センター(SSSRC)との携協定交流の中で、CANSAT気球試験を行いました。

 

SSSRCに所属する工学域機械系学類一回生の黒岩俊太郎さんに当日レポートを書いていただきました。

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こんにちは。SSSRCに所属する工学域機械系学類一回生の黒岩俊太郎です。

SSSRCでは、衛星開発を行っていますが、一回生はいきなりそれに加わるのではありません。一回生の時にCanSatという模擬人工衛星を製作することを通じて、実際の衛星開発で行うことを学びます。

 

先日、そのCanSatプロジェクトの本番とも言える気球試験がありました。その試験では、CanSatを上空から落下させ、パラシュートで降下し着地した後に何らかのミッションを行うことになっています。一回生はA班とC班とD班の三班に分かれ、開発を行いました。それぞれひとつずつCanSatを作成しました。

 

A班は咲seedというCanSatを製作しました。地球では爆発的な人口増加が起こっています。そこで火星への移住が考えられます。その火星への移住に先駆けて、種まきをするというCanSatです。このCanSatの面白い点は、種をまく放出機構が完全なオリジナルであることです。

 

 

 

C班のCanSatの名前はVenneと言います。山の遭難者を発見することの効率化を目的としたCanSatです。写真を撮った後に、パソコンに送り画像認識をし、ツイートします。TwitterでVenneのアカウントを探して頂ければ、気球試験時に撮った写真が見ることができますので、ぜひご覧ください。ちなみに僕が所属していた班です。

 

 

 

D班のCanSatの名前は、MOSSATです。GPSが使えない環境下においても、位置推定をおこなうCanSatです。この班はパラシュートが自作です。また、フォトインタラプタ、地磁気センサといった他班にはないものを搭載しています。

 

 

 

 

 

各班のCanSatのサイズと重量

咲seed Venne MOSSAT
縦(cm) 12(※31) 18 26
横(cm) 28 13 9
高さ(cm) 9 14 14
重量(g) 694 758 940

※スタビライザー展開時

 

気球試験本番では、緊張しながら、見守っていました。パラシュートが上がっていったときには怖くて仕方ありませんでした。結果から言うと、私の班のCanSatは考えていた通りには動きませんでした。半年間ほど費やしてきたので、悔しかったです。失敗の原因は、出来上がった要素を統合することが遅れ、実験があまりできなかったことだと考えています。私が自身の班のPM(プロジェクトマネージャー)としてスケジュール管理を上手くできなかった点に責任を感じています。統合を早く終えて、様々な実験を何度も繰り返せばもっと良い結果が得られたと思います。

ただ、細かく見れば上手くいった点もありました。自分たちが掲げていたミッションの目標もいくつか達成できました。パラシュートが開いた瞬間、着地判定をして動き始めた瞬間、写真が撮れた瞬間には何ものにも代え難い喜びを感じました。

 

写真は自分の班のメンバーと気球試験後に試験に使ったCanSatを使って撮った写真です。

 

CanSatは様々なトラブルがありましたが純粋に楽しかったです。特に自分の班のメンバーには本当に感謝でいっぱいです。ともに大きく成長できたと思います。またそれを感じるともに自分自身の未熟な部分を見つけることができました。技術的なことはもちろん、コミュニケーション能力あるいは人間性といった多岐にわたることです。その課題を意識しつつ様々な事柄に興味を持ちながら、成長していきたいと思います。