2019年8月27日開催

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2019年度PERSEUS講演会「宇宙の夢から起業の夢へ」参加学生レポート報告

2019年度8月27日に開催されましたPERSEUS講演会に参加した学生が、講演についてのレポートを書いてくれました。


○工学域 機械系学類航空宇宙工学課程2年 上田滉也 さん

去る2019年8月27日にPERSEUSの一環として藤原洋先生をお呼びし、「宇宙への夢から起業への夢へ」と題して講演をしていただきました。PERSEUSとは、大阪府立大学で行われている宇宙航空人材育成プログラムであり、産学官が連携し、先進的な宇宙人材を育てることを目的としています。PERSEUSでは超小型人工衛星の開発や宇宙分野やIT分野などでご活躍している方々をお呼びし、講演会を開くなどの教育プログラムを行っています。
藤原洋先生は現在、インターネットやIoT、ベンチャーキャピタルといった複数の会社を経営している経営者であり、過去にはDVDや映像配信サービスに使われている映像技術「MPEG」の創設にも関わっていらっしゃった、経営者としても技術者としても一流の方です。今回の講演では自身の幼少期から現在に至るまでを振り返りつつ、アントレプレナーシップとは何なのか、経営者には何が必要であるのかといったことについてお話しいただきました。
 講演の中で最も印象に残ったのは、アントレプレナー(起業家)として持つべき3つの信念でした。その信念とは、「技術革新を担う達成感が最大の報酬」「知恵・愛・根性の三ある仕事」「逃げない・隠さない・嘘つかないの三ない仕事」です。「技術革新を担う達成感」に関しては、工学を志望する者にとって自分が技術革新に関われるというのはこの上ない喜びであるのは多くの人にとって納得がいくことだと思います。また、裏を返せば他人がまだしていないことをするベンチャーにとって、自分の技術や開発物に達成感を持つということは成長するために必要不可欠なものであるとも感じました。「知恵・愛・根性」は一見すると精神論のように聞こえますが、技術やプロジェクトの進め方に対する「知恵」、同僚や自社の技術への「愛」、困難に遭遇しても逃げずに立ち向かう「根性」は発展途上で不安定なベンチャー企業には非常に重要だと感じました。「三ない仕事」に関しては至極当然のことである一方、常日頃から注意していなければ引っかかってしまいがちです。「三ない仕事」のうちの一つでもしてしまうと信頼は失われてしまう上に、一度でもしてしまうと癖になることが多いのでよくよく注意しておかなければならないと感じました。
また、講演の中で藤原先生が「自分がしたいことをするにはこのまま企業に勤めるのではなく、起業するのが近道だった。」という言葉も非常に印象的でした。自分の中ではアントレプレナーシップとは、「起業をすることでお金を得たり経済を発展させたりする」ものだと思っていましたが、「起業は夢のための手段に過ぎない」という言葉を聞いて、アントレプレナーシップはもっと広い意味を持つ言葉だと思うようになりました。講演を聞いて、利益を得たり経済発展に寄与したりすることに加えて、自身の夢や目的を達成するためにはどのような手段があるのかを柔軟に考え、実際に実行に移せる「実行力」「考察力」もアントレプレナーシップ(起業家精神)であると考えるようになりました。
私が専攻する航空宇宙工学はまだまだ発展途上な分野であり、この分野で活躍するためには企業家精神というのは必要不可欠であると本公演を通じて改めて実感しました。先進的な工学者になるためにこれからもPERSEUSプログラムで多くのことを見聞きし、吸収していきたいです。