2020年12月11日開催
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2020年度 第5回「PERSEUS 講演会」を開催しました
今回は、三菱重工業株式会社の竹内芳樹氏・河野秀文氏のお二人をお招きし、宇宙開発をテーマにご講演頂きました。
日 時 | 2020年12月11日 (金) 14:50~17:30 |
会 場 | 大阪府立大学 中百舌鳥キャンパス A5棟 102教室 |
参加数 | 会場;学生31名(B1 4名,B2 7名,B3 7名,B4 7名, M1 1名,M2 4名,D3 1名)、教職員・関係者3名
オンライン;学生23名(B1 2名,B2 9名,B3 2名,B4 6名, M1 3名,M2 1名)、教職員・関係者3名 |
感染症拡大防止策を取りながら現地・オンライン両方式で開催しました。講演では、HTVや「きぼう」の設計開発についてもお話していただき、最後の質問時間では、学生より熱心な質問がたくさんあり、時間ギリギリまでご回答いただきました。学生にとって有意義な時間となりました。
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 三菱重工業株式会社 バリューチェーン本部
打上輸送サービスグループ 主席部 河野秀文氏 バリューチェーン技術部 主幹 竹内芳樹氏
《講演会場の様子》
この講演会におけるアンケートとして、「講演の最後に、『昔は技術が良ければ売れた。これからは技術だけではなく、ビジネス主体で考えること』が重要との話が最後にありました。その理由はなんだと思いますか?」という質問をしました。
それに対する興味深い回答をいくつか紹介します。
『宇宙開発という枠組のなかでも、「システム」としての視点、「ビジネス」の視点の重要性が理解できたのでしょうか?』
B1 | 時代が進むにつれて、優れた技術が採用されているかどうかよりも、その開発品が「いかに社会の役に立つか」が重要視されるようになり、「人の役に立たないものは無用の長物」という考えが根強くなったからだと思います。 |
B2 | 世の中に何が要求されているか、を的確に把握することで、ミッション公表時に世の中の注目が集まる。また、そのミッションを達成するための資金も集まりやすく、開発もしやすくなる。技術が高くても、そこを誤った方向に進めると、開発の価値として低くなり、やがて廃れていくから。 逆に、ここの要求に的確に応えることで、成功に導かれると思うから。 |
B3 | 時間が経つにつれて、良い技術は次々と現れてくる。その中で、ただ技術が良いだけでは競合他者に勝つことは難しくなる。良い技術がどのようなところで必要とされるのか、どのようにしたら利用してもらえるのかを考えなければ、長期的に持続させていくことは難しいから。 |
B4 | かつては技術そのものが価値になっていたのに対し、現在では、技術を用いて作ったモノによって生まれる価値が求められているから。つまり、作ったモノがどのような市場に,どのような価値を提供できるかを考えなければならず、制作したモノの運用時のユースケースを考えたうえで設計・開発していく必要がある。 |
B4 | 海外諸国の目覚ましい技術発展を踏まえ、今後は高い技術力で品質を追求するよりも、ステークホルダーの目線でシステムを捉え、顧客の要求をユースケースに反映するといった視点を重視することで、ニーズに沿ったシステムを開発することが必要なため。 |
M1 | 航空宇宙産業の関わる領域が広がったからだと考えます。昔は科学利用に応えることが求められたのに対して、これからは様々な産業が宇宙に進出していくことが見込まれており、そのようなビジネスに対応するには、顧客が望むものを重要視していくことが求められるし、この民間需要の波に乗ることができなければ、大量の開発機会を失い、今後の宇宙産業の発展はないと思います。 |
M2 | 航空宇宙産業の関わる領域が広がったからだと考えます。昔は科学利用に応えることが求められたのに対して、これからは様々な産業が宇宙に進出していくことが見込まれており、そのようなビジネスに対応するには、顧客が望むものを重要視していくことが求めれられるし、この民間需要の波に乗ることができなければ、大量の開発機会を失い、今後の宇宙産業の発展はないと思います。 |
M2 | モノの性能がいくらよかろうが、性能はモノが売れる・使われるときの1つの基準でしかないから。(コスト・ユーザビリティなどとのトレードオフ) ビジネスの仕組みが好循環を生むような設計がなされていれば、モノの開発に資金・人材というリソースが多く入力され、ある程度高い技術のものが実現するのではないかと感じた。そうであるならば、モノ単体を作ることを考えるのではなく、モノができる・売れる・使われるといった一連の流れを設計してやることによって間接的に物の性能を高めるということができると思う。 |